こんにちは。ゆうたです。本日は投資家が陥りやすい損切りができないことがどれだけ危ないことなのかについて話していきたいと思います。
最も危険で1番陥りやすい罠
誰もが一度は経験したことがあると思いますが、トレーダーが陥りやすいことっていうのは、損切りできずにずるずると損失を拡大し、もう切るに切れなくなってしまい、お祈り状態になってしまうことです。(自分もたくさん経験しています)
パンローリングの本を読んでいる方であれば、聞いたことがあると思いますが、こういった罠の背景にある投資家の心理のプロセスは、「認知的不協和」という概念で説明されます。
これは心理学者のレオン・フェスティンガーが提唱した概念。
難しそうに聞こえますが、要するに「人間の心の中に矛盾した認識が存在する状態」のことを言うんです。
こうした矛盾した認識の存在は人間に心理的に苦痛を与えるので、人間はそこから逃れるために無意識のうちに矛盾を解消する、というのがこの理論の重要な部分です。
例えば、相場が上がると思って株を買ったとします。そしてその後で相場が下がり始めたとします。
この場合、「相場が上がると思う」という自分の認識と「現実の相場は下がっている」という認識が矛盾を起こしているということになりますね。
自分たちは、この矛盾を解消しようとするわけなんですが、解消するためには、「現実の相場は下がっている」という認識を一緒にするために、「相場は上がると思う」という認識を捨てることです。
そうしたいんですが、これの認識を一緒にする方法が、自分が買ったものを売らなくてはいけないんです。
つまり「自分が下した決断は間違っている」ってことを認めることなんですな。
「相場は上がるだろう」っていう認識を捨てた以上は、それでも「そのポジションをもっている」ことは、矛盾を生んでしまうからです。
ここがポイントで、この矛盾を解消するってのは私たちの心にとんでもない苦痛を味わされることになるのです。
なぜなら、人間ってのは自分の行動を否定されることを嫌がるからです。
これを「プロスペクト理論」と言います。
私たちは、損失を確定することよりもリスクをとり続けることを選びがちであるということなんですよね。
損をしたくないって思いは、得をしたいって思いよりも圧倒的に強いってことなんです。
チャンスを逃すって思うと人間はリスクをとってしまうのです。
ファイナンス理論、プロスペクト理論で有名なダニエル・カーネマンによると「損をしたくない」って心理は、「得をしたい」って気持ちよりも2倍も強いってことのようなんですね。
というわけで、これは人間が生まれながらに持った能力なんだって認識することが大切です。
じゃあ、どうやって対処するのかって所なんですがポジションをもつ前にどうなった時に自分の仮説が崩れるのか、そのポイントに事前に損切りする注文を入れておくことしかないと思います。
これは私の経験上の話になりますが、損切りの注文を入れないと、ずるずると価格が逆行した時に切るに切れなくなってしまうからです。
っていうか、そもそもなんですが、「損切り」は自分の仮説が崩れた所に設定しているわけですよね。
それならば、損切りになった=想定内の出来事
っていう解釈をすれば全然イライラする必要なんてないわけです。
たとえあなたがどれだけチャート分析に長けたとしても、どれだけ相場参加者の心理が分かる人でも
トレードを続けるってことは「損失」は避けられないんです。
これを乗り越えていかなければ継続して利益を出すトレーダーになることはできないってわけです。
100戦100勝ってのが不可能だからこそ、資金管理が必要なんです。
もし、投資資金の20%を失ったら、元に戻すのには25%も利益が必要になるんです。
さらに、50%を失えば、元の状態に復帰するのにはなんと、、、
100%のリターンが必要になるわけです。
だからこそ、前もって、損切りの幅から一体いくらまでは損していいのかってのを分かっていなければいけないのです。
そうは言ってもまずは、損切りできることが当たり前になるように無意識レベルでできる状態に訓練していくことを目指すと良いと思います。
マーケットに生き残るためにはいくら稼いだかではなく、「自分のルールを守ること」だけに集中して取り組むことが成功への近道だと思っております。
シンプルなルールの作り方についてはこちらを参考にしてもらえれば幸いです。
それではまた。