アダムグラントの本、ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 を読んでみたんですが、ワクワクが止まらない本でした。
不安を恐れを乗り越える方法とか私たちの疑問に、たくさんのアドバイスをくれる本になります。
後悔しないためには〇〇が必要
これは、スティーブ・ジョブズに反論して、大成功を収めた社員がいるって話し。
ドナ・デュビンスキーはアップルの流通販売部門のマネージャーとして、朝から夜までひっきりなしに働き、ひたすらコンピューターを出荷していた。
そこへ突然スティーブ・ジョブズが、アメリカの6つの全ての倉庫を廃止し、在庫を減らし受注してからコンピューターを組み立て、翌朝、配達便で配送するというシステムを提案してきたのである。
デュビンスキーさんはこの提案を、会社の未来を危険にさらすとんでもない間違いだと思っていて、アップルの成功は、流通の成功にかかっていると考えてました。
この件は、いずれ消えるだろうとしばらくの間やり過ごしていました。
しかし消えそうもなかったため、流通は今のままで何も問題ないことを主張することにしたのです。
デュビンスキーは、流通部門の一部署の責任者だったんですが、反対意見はくつがえされてしまいました。
ジョブズには権力があり、大多数がジョブズに賛成していたようです。
それでも、彼女は1歩も引かずジョブズの提案に再び反論することにした。
自分の主張を通すには少し時間が必要だとわかっていた彼女は、上司の上司と面談し、賭けに出た。
対案の作成に30日の猶予与えてくれないのであれば退社する、と。
通常、これほど自分の主張を押し通すような態度をとるのは危険な行為なはずが、要請は受け入れられたそうなんです。
デュビンスキーは、権力を使う前に地位を確立していたためストックしていた「特異性信用」を利用できたということ。
第三者から見れば、ジョブズに異議を唱えるなら勝ち目がないように思えますね。
しかし彼女は、ジョブズが自分に反抗してくる人たちに一目置き、新しい提案に対して聞く耳を持っていることを知っていました。
しかも、彼女は自分の利益のために発言しているのではなく、アップルの為を思って発言しているんです。
異議を唱える姿勢を見せたおかげで、彼女は昇進したのです。
状況を変えるには、現実的な選択肢は「去る」のか「発言」するかってところです。
ここで覚えておきたいのは、発言が離脱より本質的に優れているわけではないと言うことです。
状況によっては、先の見えない組織を去ることが、オリジナリティへ続くベストな道になることもあるのです。
私たちにできる事は、声を上げながらも、リスクポートフォリオを安全に保ち、必要であれば立ち去るために準備をしていくこと。
誰もが、今までの人生で「あの時こうしていれば」って思う時はあると思います。
もし、違う選択をしてたらどうなっていたのか、その結論はけっしてわからないんだけど
彼女のとった決断から学べるのは、何もしないよりも「行動」するということ。
長い目で見ると僕たちが後悔するのは「行動を起こした上での失敗」ではなく、「行動を起こさなかったための失敗」のほうが後悔しやすいということ!
死ぬ前に「あの時、これをやっとけばよかった」と後悔しないために、今をどう生きるかを考えて行動していきたいと気づかされる本でした。
読んだその人の解釈にもよるかもしれませんが、個人的には良書でした。
ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 (単行本